剣道着の染め直しを自分で行う際の手順と注意点まとめ

剣道を続けていると長年着用してきた剣道着の色あせが気になってくることがあります。
特に昇段審査や公式戦の前には見た目の印象を整えておきたいものです。
「剣道着 染め直し 自分で」と検索してたどり着いたあなたも、同じような悩みを抱えているのではないでしょうか。
本記事では自宅でできる剣道着の染め直し方法について丁寧に解説します。
染め直しの手順や準備物、藍染液のおすすめ商品まで取りかかりに必要な情報をまとめました。
自分で行う場合の値段の相場や業者に依頼した場合との違いも紹介しているため、コスト面が気になる方にも役立ちます。
また、剣道防具の染め直しにも触れ、刷毛塗りでの補修方法もあわせてご紹介します。
さらに日々の洗濯に関するポイントとして、色落ちを防ぐ頻度の目安や洗濯時に柔軟剤や重曹を使ってはいけない理由も解説しています。
このページを読めば自分で剣道着を染め直すために必要な知識と準備がしっかりと整えられるはずです。
手間はかかりますが、その分だけ愛着も深まる作業です。
ぜひ参考にしてみてください。
- 剣道着を自分で染め直す具体的な手順
- 藍染液や道具の選び方とおすすめ商品
- 自分で染める場合と業者依頼の費用相場の違い
- 色落ちを防ぐ洗濯方法と注意点
剣道着の染め直しを自分でやる基本と注意点
- 藍染液のおすすめ商品
- 染め直しの手順をわかりやすく解説
- 染め直しにかかる値段の相場とは?
- 剣道防具の染め直し方法
藍染液のおすすめ商品

イメージ画像:チヨコスポーツ
剣道着を自分で染め直す場合、使用する藍染液の選び方はとても大切です。
発色や染まり具合に差が出るため、適切な商品を選ぶことで仕上がりが大きく変わります。
一般的におすすめされているのが「Re:color剣道 藍道」という商品です。
この染料キットは藍染の剣道着専用として販売されており、初心者でも扱いやすいようにセット内容が充実しています。
インディゴ(染料)・アルカリ剤・還元剤・手袋・説明書などが含まれていて、追加で買い足す手間を減らせる点も便利です。
もう一つの選択肢として「特濃藍(とくのうあい)」という商品もあります。
こちらは主に剣道防具の染め直しに使われることが多いですが、布製品にも応用可能です。
刷毛で塗るタイプのため、部分的に色あせが目立つ場所を補修したい場合などに適しています。
染料を選ぶ際には用途に合っているか、作業手順が自分にとって無理なくできそうかを基準にすると良いでしょう。
染液の種類には液体タイプや粉末タイプがありますが、初めての方には説明書付きの粉末セットがおすすめです。
染まり具合の濃さや色止めの効果にも個体差があるため、実際の使用レビューを参考にするのも有効です。
これらの商品はインターネット通販で手軽に購入できます。
染め直しの工程を成功させるには、こうした染料選びから丁寧に行うことが重要です。
染め直しの手順をわかりやすく解説

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剣道着の染め直しを自分で行うにはあらかじめ手順を理解しておくことが重要です。
正しく準備し丁寧に進めることできれいに染め上げることができます。
まず、最初に準備するものを確認しましょう。
主な道具としては水を入れるための大きめのバケツ・ゴムまたはビニール手袋・マスク・かき混ぜ棒などが必要です。
藍染め専用の染料は先述したように「Re:color剣道 藍道」を使用例にして解説します。
染液の作成
- 水14Lに染料(インディゴ)を入れて混ぜます。
水温は20~40℃が適応温度です。
20℃以下の冷たい水だと、染め具合が弱くなるので注意してください。
段々と冷めてくるので、40~50℃くらいの温水を使用するのがよいでしょう。 - 続けて、アルカリ剤を追加して混ぜます。
- さらに還元剤を入れて、空気が入らないように混ぜます。(かき混ぜ棒は水中に入れたまま、ゆっくりと動かすのがポイント)
還元剤は硫黄のような臭いがしますので、マスクをして換気をしながら行いましょう。 - 15分間放置して待ちます。
泡が藍の花のように浮かんでくるのが合図です。
※出てこないこともあるようなので、必要時間が経過したら使いましょう
染色の実施
- 洗濯済みの剣道着を軽く湿らせてから染液へ投入します。
- 全体に染み込むようによく揉みこみます。
- 取り出してよく絞り、1分ほど空気にあてることで色を定着させます。
藍色に染まるのは、酸化反応とのことです。 - 2・3の工程を3~4回繰り返すと色が濃く染まります。
色落ちが気になる部分があれば重点的に揉みこみ、そこに空気がいきわたる様にしてください。
乾燥と色止め
- 色止め処理を行う前に一度乾燥させます。
- 乾いたら、10Lの水に色止め剤を入れて溶かします。
- 30~60分程度つけ置きして、色落ちを防ぎます。
- 最後に乾燥させたら終了です。
染色液の作成から染め直しの手順を紹介しました。
染め直しの実践動画がありましたので、こちらも参考にしてみてください。
自分で染め直しする際の注意点
揉みこみや絞り作業が思っているより重労働で、乾燥工程も考えると2日かかることを想定しておきましょう。
水温が低くなると染め具合が弱くなること、乾燥が必要なことから夏場の気温が高い時期に作業することをおすすめします。
また、作業場は可能であれば屋外で行う方がよいです。
お風呂場などで行ってもよいのですが、剣道着を乾燥させるために運ぶ際にポタポタと染み込んだ染液が垂れて家の中を汚してしまう恐れがあります。
染液がかなり飛び散ってしまいますので、お風呂場の中もかなり汚れます。
乾いてしまうと落ちにくくなってしまう可能性があるので、すぐに掃除をするようにしてください。
なお、服も着色しても問題がないものを着るようにしましょう。
付属で手袋がついてきますが短いため、揉みこみ作業中に手袋内に水が入り込んでしまいます。
長めの手袋を用意しておくとよいでしょう。
染め直しにかかる値段の相場とは?
自分で剣道着を染め直す場合と業者に依頼する場合では費用に差があります。
どちらを選ぶにしても事前に相場を把握しておくことで、無駄な出費を防ぐことができます。
まず、自分で染め直す場合の費用から見ていきましょう。
一般的な藍染めキットは2,000円から4,000円程度で購入できます。
先ほど紹介した「Re:color剣道 藍道」という染料セットは約2,000円から3,000円前後で販売されています。
バケツや手袋などの道具をすでに持っていれば、それ以外にかかる費用はほとんどありません。
もし道具類を一式揃えるとしても、全体で4,000円以内に収まることが多いです。
一方で専門のクリーニング業者に染め直しを依頼すると料金は高くなります。
目安として剣道着または袴のどちらか一方の染め直しで7,000円から8,000円程度が相場です。
これには染色費用に加えて、クリーニングや仕上げ、色止め加工の費用も含まれています。
また、納期は1〜2週間かかる場合が一般的です。
こうした価格差を踏まえると、時間と労力をかけられるなら自分で染め直す方法が経済的です。
ただし、自分でやる場合は手間や失敗のリスクもあるため、慎重に作業する必要があります。
確実な仕上がりを求めるのであれば、費用はかかってもプロに任せるという選択も十分にあり得ます。
染め直しの目的や予算、時間的余裕などを考慮しながら、自分に合った方法を選ぶことが大切です。
どちらの方法にもメリットとデメリットがありますが、納得した上で進めれば満足のいく結果につながりやすくなります。
剣道防具の染め直し方法

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剣道防具の染め直しは剣道着の染め方とは異なり「刷毛で塗る」タイプの作業になります。
布を染液に浸す方法ではなく、防具表面に直接染料を塗り込んでいく工程が特徴です。
自宅でも比較的簡単にできる作業で、手順を守ることでより美しく仕上げることができます。
準備するもの
作業に入る前に、以下の準備物をそろえておきましょう。
- 藍染用の液体染料(「特濃藍」など)
- 刷毛(広い面を塗るためのもの)
- 細筆(細かい部分や飾り糸周辺を塗るため)
- ブラシ(染料をなじませるため)
- ゴム手袋
- 作業着(汚れても良い服装)
- 新聞紙やビニールシート(床や周囲を保護するため)
染料は服や床に付着すると落ちにくいため、作業場所の保護を忘れないようにしてください。
染め直し手順
- 防具表面の清掃
防具表面についた汚れや汗じみを、固く絞った濡れタオルで丁寧に拭き取ります。
この工程を省略すると、染料が均一に乗らず色ムラが発生する原因になります。 - 染料の準備
藍染液をよく振ってから容器に移し、水で2倍に薄めてよくかき混ぜます。
この薄めた染料が防具への塗布に適しています。 - 塗布作業
刷毛を使い、防具表面に薄く均一に染料を塗布します。
力を入れず、薄く何度も重ねて塗ることがポイントです。
一度に濃く塗ろうとするとムラになりやすいため注意してください。 - なじませる作業
染料を塗った直後、防具表面に膜状の光沢が出ることがあります。
この状態で放置せず、ブラシで軽くこすって染料をなじませます。
細かい部分や飾り糸周辺は細筆を使って丁寧に塗り込むと仕上がりが美しくなります。 - 乾燥
染色が終わったら、風通しの良い日陰で1〜2日間しっかりと乾燥させます。
完全に乾かすことで色移り防止にもつながります。
乾燥後もしばらくは色移りする可能性があるため、使用前には布で軽く拭き取るなどの対応をすると安心です。
注意点とメリット
剣道防具の染め直しは繊細な作業ですが、手順通り行えば自宅でも十分可能です。
部分的な色落ちや経年劣化による補修にも役立つため、防具を長く大切に使いたい方にはおすすめの方法です。
ただし、初めて行う場合は慎重に進めることを心掛けてください。
以上が剣道防具の染め直し方法です。
この手順を守れば、美しい仕上がりと耐久性の向上が期待できます。
ぜひ挑戦してみてください!
剣道着の染め直しを自分でする魅力と工夫
- 色落ちさせない洗濯の頻度
- 洗濯に柔軟剤や重曹は使えない
- 新品の剣道着の色落ち防止に酢を使うと良い
- リメイクして再利用する方法
色落ちさせない洗濯の頻度
藍染された剣道着の色落ちを最小限に抑えるためには洗濯の頻度を調整することが非常に重要です。
毎回洗うのではなく着用後の状態を見て判断することで、染めた色合いを長持ちさせることができます。
基本的には剣道着を毎回洗う必要はありません。
練習や試合後に大量の汗をかいた場合を除き、1〜2週間に1回の洗濯でも十分です。
特に冬場の稽古では汗の量が少ないため、風通しの良い場所で乾燥させるだけで清潔さを保つことができます。
色落ちを防ぐためには洗濯そのものを減らすだけでなく、「乾かし方」も工夫しましょう。
使用後すぐにハンガーに掛けて陰干しするだけで、汗による傷みや臭いを抑えることができます。
消臭スプレーを軽く使うのも一つの方法です。
ただし、スプレーも無香料で、藍染に適したものを選ぶ必要があります。
また、稽古用と審査用で剣道着を分けて使うのも効果的です。
毎回同じ道着を使用していると洗濯頻度が上がり、それに伴って色落ちも早くなってしまいます。
用途に応じて剣道着をローテーションさせることで、1着あたりの負担を減らすことができます。
このように適切な頻度と管理方法を意識することで、藍染剣道着の風合いを長く楽しむことができます。
必要なときだけ洗う、という意識が色落ち対策の第一歩になります。
洗濯に柔軟剤や重曹は使えない

イメージ画像:チヨコスポーツ
藍染された剣道着を洗う際には柔軟剤や重曹を使ってはいけません。
これらは一般的な衣類には便利なアイテムですが、藍染製品にとっては色落ちや生地の劣化を招く原因になります。
まず、柔軟剤には界面活性剤や香料などの化学成分が含まれています。
これらの成分は藍染めの染料と反応しやすく、せっかくの色合いを崩す恐れがあります。
さらに、柔軟剤が布の表面に残ることで吸汗性や通気性が低下してしまうこともあります。
剣道のように激しい動きを伴う競技では、着心地や機能性が損なわれることは避けたいところです。
一方、重曹はナチュラルクリーニングの代表格とも言えますが、アルカリ性の性質を持っており、藍染めの色素を中和しやすい特性があります。
そのため、洗浄力はあるものの色が抜けやすくなってしまうのです。
しかも一度色が落ちると、完全に元に戻すことはできません。
では、どうすればよいか説明します。
藍染め剣道着の洗濯には基本的に洗剤を使わず、ぬるま湯で手洗いする方法が推奨されます。
もし汚れや臭いが気になる場合は、専用の中性洗剤や「藍きれい」などの専用溶剤を使用するのが安全です。
色落ちを抑える成分で構成されており、和装品や藍染衣類に最適です。
多くの家庭では洗濯時に柔軟剤を使う習慣がありますが、剣道着においては例外です。
見た目や機能性を保つためにも、使用する洗剤の成分には注意を払いましょう。
洗濯時の選択ひとつで、剣道着の寿命が大きく変わってきます。
新品の剣道着の色落ち防止に酢を使うと良い
新品の藍染剣道着は最初の数回の洗濯で大きく色落ちすることがあります。
この初期の色落ちをできるだけ抑えたい場合、酢を使った「藍止め」を行うことが多いです。
方法はとてもシンプルです。
洗面器やバケツに30〜40℃のぬるま湯を張り、そこに家庭用の穀物酢を加えます。
「水5に対してお酢1」の比率で使用してください。
この酢水の中に剣道着を2〜3時間ほど浸けておくことで、藍染の色素が繊維に定着しやすくなります。
酢が持つ弱酸性の性質により色落ちを抑える効果が期待できます。
この作業は剣道着を初めて使う前に1回行えば十分です。
すでに何度も洗った後の剣道着には効果が薄いため、新品または未使用の状態で行うのが望ましいです。
酢に浸けたあとはしっかり水ですすいでから陰干しするのがポイントです。
酢の匂いを残さないためにも、複数回のすすぎを心がけてください。
このように大きな手間はかけずに酢を使った藍止め処理をするかどうかで、剣道着の色持ちが良くなることが期待できます。
色落ちによる見た目の劣化を防ぎたいなと思ったら、酢を使う方法は試してみてください。
新品を長く美しく保つために、ぜひ取り入れておきたい一手間です。
リメイクして再利用する方法
色あせたり古くなった剣道着はそのまま処分するのではなく、リメイクして再利用することができます。
使い込まれた藍染の風合いには独特の味わいがあり、新しい形で活かす方法は多くあります。
代表的なのは剣道着の生地を活用して「ジャケット」や「バッグ」に仕立て直す方法です。
剣道着は綿素材で丈夫に作られているため再縫製しても型崩れしにくく、日常使いにも向いています。
特に刺し子の生地はデザイン性も高く、リメイク作品にすると和モダンな印象を与えることができます。
また、最近では「ぬいぐるみの服」として剣道着を仕立て直すサービスも人気です。
自分が長年着てきた道着が小さなぬいぐるみの服となって手元に残ることで、思い出として大切に保管できます。
この方法は記念品としても喜ばれるため、卒業や昇段の節目に利用されることもあります。

出典:ひなた工房【ぬい服】リメイクするデザイン|剣道着(セット)
リメイクを依頼できる専門店やネットサービスも増えており、素材を送るだけで希望のアイテムに作り変えてくれるところもあります。
自分で手縫いすることも可能ですが、初めての場合は仕立てをプロにお願いするのが安心です。
このように剣道着のリメイクにはさまざまな選択肢があります。
衣類としての役目を終えても、工夫次第で新たな価値を持つアイテムとして生まれ変わらせることができます。
捨ててしまう前に、一度リメイクという選択肢を検討してみてはいかがでしょうか。
剣道着の染め直しを自分でする際のポイント総まとめ
ポイントをまとめます。
- 「Re:color剣道 藍道」が扱いやすい染料キット
- 「特濃藍」は防具や部分補修向きの刷毛塗りタイプ
- 染料選びは作業工程のしやすさと用途に応じて選ぶ
- 染液作成時は水温20~40℃をキープすることが重要
- 還元剤は空気を避けてゆっくり混ぜるのがコツ
- 染色は揉み込みと空気酸化を3〜4回繰り返すことで濃く染まる
- 色止め処理は乾燥後に専用剤で30分~60分浸ける
- 作業は染料が飛び散るため屋外が望ましい
- 剣道着の染め直し作業は2日程度かかることを想定する
- 自分で染めればコストは約2,000〜4,000円で済む
- 業者依頼は7,000〜8,000円程度で仕上がりは安定している
- 防具は刷毛とブラシを使って部分的に染めるのが基本
- 柔軟剤や重曹は藍染に不向きで色落ちの原因になる
- 新品剣道着の初回使用前に酢で藍止め処理を行うと良い
- 古い剣道着はリメイクでジャケットやぬいぐるみ服に再生できる