剣道の竹刀の名称を図解で解説!持ち方や手入れも紹介

剣道を学ぶうえで竹刀の名称を正しく理解することは基本中の基本です。
とくに昇段審査では竹刀の各部位の名称が筆記試験に出題されることもあり、覚えておくべき重要な知識といえます。
この記事では剣道の竹刀の名称についてわかりやすく解説します。
実際に竹刀の名称が問題で出たときの回答例や、竹刀に名前を書く場所といった実用的な情報まで網羅しています。
さらに竹刀の持ち方や構えの基本、木刀の名称との違い、適切な手入れ方法や使用上の規定にも触れており、初心者から中級者まで幅広く役立つ内容を意識しました。
加えて竹刀の値段の相場や選び方にもふれており、これから竹刀を購入する人にも役立つ構成です。
初めて竹刀を手にする方や試合や審査を控えた方は本記事を通じて正確な知識を身につけ、自信を持って稽古や本番に臨めるようにしましょう。
- 剣道の竹刀に使われる各部位の正しい名称
- 竹刀と木刀の名称や構造の違い
- 昇段審査や試合で問われる竹刀の知識
- 竹刀の選び方や手入れ方法に関する基本事項
剣道竹刀の名称の基本と各部位の呼び方
- 昇段審査の問題に出た竹刀の名称一覧
- 木刀の名称との違いを解説
- 竹刀の持ち方と構えの基本
- 防具の各部位の名称
- タスキの正式名称と使い方
昇段審査の問題に出た竹刀の名称一覧

イメージ画像:チヨコスポーツ
剣道の昇段審査では筆記試験で竹刀の各部名称が問われることがあります。
特に初段での審査では、基本的な知識として竹刀の名称を覚えておくことが必要です。
そもそも竹刀は4枚の竹で構成された武道具で、それぞれの部分に固有の名称があります。
これは安全に稽古を行うための基礎知識であり、審査ではこの理解が試されるのです。
実際に試験に出たことのあるものをピックアップしました。
まずはこの基本部位から試験で回答できるようにしましょう。
- 剣先(けんせん): 竹刀の先頭部分で、打突が届く箇所です。
- 物打ち(ものうち): 竹刀の剣先から中結いまでの部分で、有効打突となる部分です。
- 中結い(なかゆい): 鹿革で作られたもので、竹同士を固定するために使用されます。
- 弦(つる): 竹刀の剣先から柄までを結ぶ紐状の部分で、竹をまとめる役割があります。
- 鍔(つば): 手を守るための円形の部品です。
- 鍔止め(つばどめ): 鍔の位置を固定するためのゴム製パーツです。
- 柄(つか): 握る部分で、正しい構えと技に直結します。
- 柄頭(つかがしら): 柄の末端にあたる部分です。

出典:全日本剣道連盟
これらの名称を単に暗記するのではなく、実際の竹刀を手に取りながら確認すると理解しやすくなります。
もし審査で出題されても構造をイメージできていれば、答えに迷うことは少なくなります。
日頃の稽古の中で意識しておくことで自然と身につけられる内容です。
段位を目指す方は試験対策の一環として、早めに覚えておくことをおすすめします。
木刀の名称との違いを解説

イメージ画像:チヨコスポーツ
竹刀と木刀はどちらも剣道で使用される道具ですが、その名称や構造には明確な違いがあります。
これらを混同すると、用具の使い分けや技術理解に支障が出るため注意が必要です。
竹刀と木刀の構造の違い
先述したように竹刀は4枚の竹片で作られており、それぞれに名称が細かく割り当てられています。
「弦」や「中結い」など、竹刀特有の構造に由来する部位名があります。
「弦」は竹片を結びつける部分で、「中結い」は竹片を強化するための補強材です。
一方、木刀は一本の木で作られていて、より日本刀に近い形状と名称を持っています。
木刀でよく使われる名称には「切っ先(きっさき)」「刃部(はぶ)」「峰(みね)」「鍔元(つばもと)」「柄(つか)」などがあり、実際の刀に近い表現となっています。
使い方の違い
木刀は主に形稽古や日本剣道形で用いられ、打突のためではなく型の正確性や間合いの取り方を学ぶための道具です。
木刀を使って行う形稽古では、正確な姿勢や動作を身につけることが重要です。
一方、竹刀は試合や打ち込み稽古で使われ、打突技術を磨くために使用されます。
このように竹刀と木刀では使い方だけでなく構造や名称にも違いがあるため、それぞれの特徴を理解した上で使い分けることが求められます。
初心者であっても両者の違いを早い段階で押さえておくと、より深く剣道に取り組むことができ、技術向上に繋がります。
竹刀の持ち方と構えの基本

イメージ画像:チヨコスポーツ
竹刀の持ち方と構えは剣道の基本動作の土台となり、打突の正確さや力の伝わり方に大きく影響します。
ここが安定していないと、技の効果や動きのスムーズさに大きな差が出ます。
竹刀の持ち方
竹刀は左右の手で役割が異なります。
右手は竹刀の柄の上部を軽く握り、中指・薬指・小指で力を入れて握ります。
親指と人差し指は力を入れずに、柄の中心線が親指と人差し指の付け根の間(Vゾーン)に通るようにします。
左手は柄頭に近い位置をしっかりと握りますが、力を入れすぎないように注意が必要です。
このとき、力を入れすぎると手首や肩が固まり、スムーズな動きができなくなります。
竹刀は斜め45度の角度で床に向け、真っすぐ前方に突き出すのではなく、肩の力を抜いて自然に下ろすように構えるとよいでしょう。
構えの基本
構えについては基本の「中段の構え」が中心になります。
これは竹刀の先が相手の喉元に向かうように構え、両足は肩幅程度に開いて右足がわずかに前に出る形が基本です。
左手は体の中心線上で、おへその下にあり、体から拳一つ分離した位置にします。
足は地面にしっかりとつけて、かかとは少し浮かせた状態を保ちます。
練習方法
正しい構えを身につけることで攻防の際にブレない姿勢が作られ、打突の正確さが増します。
また、相手に与える圧力や存在感も変わってきます。
最初は難しく感じるかもしれませんが、鏡の前で姿勢を確認したり自撮りをして客観的にチェックすることで、素振りを繰り返し自然と身につけていきます。
毎回の稽古で意識することが上達の近道です。
防具の各部位の名称
剣道における防具は打突から身を守るための大切な装備です。
それぞれの部位には正式な名称があり、昇段審査や学科試験などでも問われることがあります。
防具は大きく分けて「面(めん)」「胴(どう)」「甲手(こうて)」「垂(たれ)」の4つで構成されています。
面は頭部を守る防具で顔を覆う金属製の面金(めんがね)と、頭部を包む布部分から成ります。
稽古や試合では面を狙った打突が多くなるため、特に重要な防具です。
胴は胸からお腹にかけてを覆う防具で、打たれても衝撃を分散させる構造になっています。
表面には飾り模様が入っていることも多く、見た目にも個性が出る部分です。
甲手は両手を守るための防具で手首から指先までを覆います。
打突を受けやすい箇所であるためしっかりとした作りになっており、握りやすさとのバランスも求められます。
垂は腰回りを保護する防具で腰骨を覆いながら、前方に垂れるような形状が特徴です。
ここに名前を縫い付けることが多く、試合では選手を識別する目印にもなります。
また、垂は重心の安定を助け、剣道特有の足捌きや姿勢の維持に重要な役割を果たします。
それぞれの防具はただの装備ではなく、動きやすさと安全性を両立させるために工夫されています。
用語を正しく理解することで、稽古や試合中の指導もより的確に受け取れるようになるでしょう。
タスキの正式名称と使い方

イメージ画像:チヨコスポーツ
タスキとは道着や袴の着崩れを防ぐために使う細長い布のことです。
正式には「目印」と言います。
使い方としては主に女性が道着の袖が開かないように固定する目的で使用することが多いです。
道着の袖口にタスキを通し、背中で交差させて前に回し、しっかりと結びます。
この形で着装することで、動作中に衣服が乱れにくくなり、所作が美しく見えるというメリットがあります。
また、形だけでなく機能面でも重要な役割を果たしています。
竹刀の動きや体さばきの妨げにならないように整えることで、技の精度にも良い影響を与えます。
一方でタスキの結び方が緩かったり、位置がずれていたりすると、稽古中にほどけてしまうことがあります。
こうなると集中力が途切れたり見た目の印象にも影響しますので、結び方を事前に練習しておくと安心です。
タスキは見た目の美しさと機能性を両立する道具です。
着装の際には正しく活用することで、稽古や審査においてもより良い評価につながる可能性があります。
剣道の竹刀の名称と関連知識まとめ
- サイズごとの長さと重さ一覧
- 値段の相場と選び方
- 手入れと長持ちのコツ
- 竹刀落としの意味と注意点
- 規定と試合でのチェック項目
- 名前を書く場所
サイズごとの長さと重さ一覧
竹刀には年齢や性別、段級位などに応じたサイズがあり、それぞれ規定の長さと重さが定められています。
これらは全日本剣道連盟の規定に基づいており、特に試合や審査ではこの基準に合った竹刀を使用する必要があります。
- 小学生
小学生用の竹刀は一般的に28から36サイズまで使用されますが、公式の長さや重さの規定はありません。
使用する際は個人差を考慮し、適切なサイズを選ぶことが重要です。 - 中学生
中学生の場合、37サイズが一般的で長さは114cm以下です。
重さは男子で440g以上、女子で400g以上が目安です。 - 高校生
高校生では38サイズが一般的で長さは117cm以下、重さは男子で480g以上、女子で420g以上です。 - 大学生以上
大学生や一般用としては39サイズが使用され、長さは120cm以下です。
重さは男子で510g以上、女子で440g以上が基準です。
これらの基準は竹刀のバランスや安全性、技の正確さを保つために設けられています。
適正なサイズを選ぶことで無理なく正しい打突や構えができ、ケガの防止にもつながります。
規定サイズであっても、実際の使用感には個人差があります。
手の大きさや体格、打突のスタイルなどを踏まえ、自分に合った竹刀を見つけることが重要です。
最終的には規格内でありながらも扱いやすさを重視する選び方が、上達への近道となります。
値段の相場と選び方
竹刀の値段は素材や仕上げの違いにより価格が大きく異なります。
安価なものであれば1,500円前後から購入できますが、上質な素材を使った高級品になると1本5,000円以上するものも珍しくありません。
最も一般的なのは2,000〜3,500円程度の中価格帯の竹刀です。
この価格帯は練習用としてバランスが良く、品質も安定しているため、初心者から中級者におすすめされることが多いです。
素材には主に真竹や桂竹が使われ、耐久性や柔軟性にも違いがあります。
選び方としてはまず用途を明確にすることが大切です。
日々の稽古用であれば、価格を抑えつつも耐久性のあるモデルを選ぶのが適しています。
一方で、試合や審査用には打突の精度や軽さ、見た目の美しさも重視されるため、やや高価な竹刀を用意する人も多いです。
注意点として安価な竹刀の中には、品質管理が甘くすぐに割れてしまうものも存在します。
安全面を考慮すれば、信頼できる剣道具専門店で購入するほうが安心です。
また、同じ価格帯でも手元重心か先重心かといった重心バランスの違いにより、使い心地が変わってきます。
実際に手に取ってみて、握りやすさや振りやすさを確認してから購入することをおすすめします。
手入れと長持ちのコツ

イメージ画像:チヨコスポーツ
竹刀は消耗品ですが、きちんと手入れをすることで寿命を延ばすことができます。
特に初心者のうちは、どのように扱えば竹刀が長持ちするのかを知っておくことが大切です。
まず基本として、使用後は必ず乾いた布で汗や湿気を拭き取ります。
剣道の稽古中は大量の汗をかくため、竹刀が湿気を含みやすくなります。
これを放置すると、竹の繊維が弱くなったり、カビが発生して変色したりする原因になります。
できれば風通しの良い場所で陰干しするのが理想です。
さらに、定期的なメンテナンスも欠かせません。
竹の表面に「ささくれ」(細かい木の目や荒れ)や「ヒビ」(細かい割れ目)がないかをこまめにチェックし、ささくれがあれば紙やすりなどで丁寧に削りましょう。
ささくれを放置すると、相手の防具や自分の手を傷つけてしまうおそれがあります。
また、竹刀に油を塗ることもおすすめです。
椿油や竹刀専用のオイルを薄く塗布することで、竹がしなやかさを保ち、乾燥による割れを防ぐことができます。
ただし、塗りすぎると滑りやすくなるため、量には注意しましょう。
このように日常的なひと手間が竹刀の耐久性に大きく影響します。
結果的に長く使えるだけでなく安全にもつながるため、手入れの習慣は早いうちから身につけておくことをおすすめします。
竹刀落としの意味と注意点
竹刀落としとは稽古や試合中に竹刀を落としてしまう行為を指します。
これは単なるミスではなく、技術面や心構えの甘さが現れるものとして捉えられることが多く、剣道では非常に重要な意味を持ちます。
試合の場面では竹刀を落とすと反則を取られる原因になります。
また、昇段審査においても竹刀を落とすと大きな減点対象となり、審査不合格の理由となることも少なくありません。
そのため、竹刀を確実に握り、安定した構えを維持する技術が求められます。
一方で、落としてしまう原因はさまざまです。
手汗で滑る・力みすぎて手の内が緩む・構えが不安定で衝撃に耐えられないなどが主な要因です。
これを防ぐためには、竹刀の柄に滑り止めを巻く、手袋を使う、あるいはこまめに手汗を拭くといった対策が効果的です。
さらに、普段の稽古で正しい持ち方や手の内の使い方を身につけることが、竹刀落としの防止につながります。
特に初心者は最初の段階でしっかりと正しいフォームを学ぶことが重要です。
安全面でも竹刀が落ちると周囲の人に当たって怪我をさせるリスクがあります。
その意味でも、竹刀をしっかりとコントロールできるようになることは、技術だけでなく礼儀や配慮にもつながる大切な要素といえるでしょう。
規定と試合でのチェック項目
剣道の試合や昇段審査では、竹刀が所定の規定を満たしているかが事前に確認されます。
規定に適合しない竹刀は使用できないため、日頃からその基準を理解しておくことが重要です。
まず、竹刀には長さと重さの規定があります。これは年齢や段位、性別によって異なります。
軽すぎる竹刀は安全性や公平性の観点から不適格とされるため、購入時や試合前に必ず確認しましょう。
また、試合当日に運営側が竹刀チェックを行うケースも多く、その場で不備が見つかれば修理や交換が求められます。
このとき予備の竹刀を用意しておくと安心です。
試合前に「剣道用具確認証」の提出も求められることがあります。
こうした規定を守ることで、安全な剣道の実践と試合の公正性が保たれます。
特に竹刀の加工や形状変更が禁止されていることも安全性の観点から重要です。
自分の竹刀が基準を満たしているかを普段から意識しておきましょう。
一刀使用の竹刀
区分 | 長さ(全長) | 重さ(鍔含まず) | 太さ(先端/ちくとう部) |
---|---|---|---|
一般男子 | ~120cm | 510g以上 | 先端: 26mm以上 / ちくとう: 25mm以上 |
一般女子 | ~117cm | 440g以上 | 先端: 21mm以上 / ちくとう: 20mm以上 |
高校男子 | ~114cm | 480g以上 | 同上 |
高校女子 | ~114cm | 420g以上 | 同上 |
中学生男子 | ~114cm | 440g以上 | 先端: 25mm / ちくとう: 24mm |
中学生女子 | ~114cm | 400g以上 | 先端: 20mm / ちくとう: 19mm |
■ 二刀使用の竹刀
- 大刀
- 長さ:~114cm
- 重さ:440g以上(男子) / 400g以上(女子)
- 太さ:先端25mm / ちくとう24mm(男子)、先端20mm / ちくとう19mm(女子)
- 小刀
- 長さ:~62cm
- 重さ:280~300g(男子) / 250~280g(女子)
- 太さ:同上
名前を書く場所
紛失や取り違えを防ぐために多くの道場や学校で、竹刀に所有者の名前を記載する推奨されています。
名前を書く場所は主に柄の真ん中がおすすめです。
柄の真ん中は竹刀を持つときにちょうど空いている部分で、書いた名前が消えにくくなります。
また、竹刀袋にも名前を記入することが多く、特に学校や団体で活動する場合は必須とされることもあります。
外出先での練習や大会では複数の竹刀が並ぶことがあるため、見分けがつかなくなるリスクがあるからです。
書く際は消えにくい油性マジックや名前シールを使うのが一般的です。
ただし、公式戦では規定の場所に名前が書かれていないと注意を受ける場合もあるため、団体の指導者や主催者のルールを事前に確認しておくと安心です。
このように名前の記載は小さなルールに見えても、マナーや安全管理の面で重要な役割を果たします。
練習前に一度確認しておくことで、書き忘れを防ぐことができます。
剣道竹刀の名称の理解を深めるための要点まとめ
ポイントをまとめます。
- 昇段審査では竹刀の各部名称が問われることがある
- 竹刀は4枚の竹で構成され、それぞれに名称がある
- 剣先や物打ちなどの名称は打突に関係する
- 木刀は一体構造で刀に近い名称を使う
- 木刀は形稽古用、竹刀は打突練習用と用途が異なる
- 正しい竹刀の持ち方は手の使い分けが重要
- 中段の構えは基本姿勢として全ての動きの土台となる
- 防具は面・胴・甲手・垂の4部位に分かれる
- タスキは着装の乱れを防ぎつつ機能性を高める
- 竹刀のサイズは年齢や性別により基準がある
- 一般的な竹刀の価格帯は2,000〜3,500円が中心
- 日々の手入れで竹刀の寿命や安全性を高められる
- 竹刀落としは反則や評価減点に直結する重要なポイント
- 試合や審査では竹刀の規定適合がチェックされる
- 名前の記載は紛失防止と安全管理のために必要