剣道の防具の洗い方の完全ガイド!面の乾燥まで実演動画も紹介

剣道を続けていると防具の手入れは欠かせません。
稽古を重ねるごとに汗や汚れが蓄積し、適切に管理しなければ臭いやカビの原因になります。
しかし、剣道の防具の洗い方を知っておくことで、自宅でも清潔な状態を維持できます。
本記事では面・小手・胴・垂れの洗い方など、防具ごとの適切な洗浄方法を詳しく解説します。
また、洗濯機を使う際の注意点やクリーニングの値段の目安、オキシクリーンを使用するリスクについても紹介します。
剣道の防具を長持ちさせるには正しい洗い方と保管方法を理解することが大切です。
これから紹介する方法を実践することで防具を清潔に保ち、快適な稽古を続けられるでしょう。
- 剣道防具の正しい洗い方と手入れ方法を理解できる
- 面・小手・胴・垂れの洗浄や乾燥の注意点がわかる
- 洗濯機やクリーニングの活用方法と費用の目安を知ることができる
- 防具のカビや臭い対策、染め直しの方法を学べる
剣道の防具の洗い方と手入れ方法
- 剣道防具の片付け方と日常の手入れ
- 面の洗い方と正しい乾燥方法
- 小手の洗い方と消臭対策
- 胴の洗い方とメンテナンスのコツ
- 垂れの洗い方と適切な保管方法
剣道防具の片付け方と日常の手入れ

イメージ画像:チヨコスポーツ
剣道防具は適切に片付けることで寿命を延ばし、衛生的に使用することができます。
特に稽古後は汗や湿気がこもるため、そのまま収納するとカビや臭いの原因になります。
まず、稽古後にはすぐに防具の表面を拭き取りましょう。
手ぬぐいやタオルを使い、汗をしっかり吸い取ることが大切です。
その後、防具を風通しの良い場所で陰干しし、完全に乾燥するまで時間をかけて乾かします。
直射日光は藍染の色落ちや革の劣化を招くため、避けるようにしましょう。
収納する際は防具袋の中に乾燥剤を入れて湿気を防ぐのも有効です。
また、防具を保管する場所に除湿剤を置くことも推奨されます。
面や小手は形が崩れないよう、適度な間隔を空けて収納しましょう。
長期間使用しない場合は防具を密閉せず、定期的に風通しを確保して湿気を防ぐために除湿剤を使用することも有効です。
日常の手入れとしては稽古後に防具専用の消臭スプレーを使用し、雑菌の繁殖を防ぎましょう。
また、小手や面の内側は特に汚れやすいため、週に一度は濡れタオルで丁寧に拭き取るとより清潔に保つことができます。
面の洗い方と正しい乾燥方法

イメージ画像:チヨコスポーツ
面は顔に直接触れる部分が多く汗や皮脂が染み込みやすいため、適切な洗浄と乾燥が必要です。
不衛生な状態のまま使い続けると臭いが発生しやすくなり、カビの原因にもなります。
面を洗う際はまず濡らしたタオルで内側と外側を丁寧に拭き取ります。
それでも汚れが気になる場合はぬるま湯に中性洗剤を少量加え、柔らかいスポンジで軽くこすりましょう。
このとき、面金部分に水がかかりすぎると錆の原因になるため注意が必要です。
洗った後は清潔なタオルで水分を拭き取り形を崩さないように整えてから、風通しの良い場所で陰干しします。
乾燥が不十分だと雑菌が繁殖しやすくなるため、扇風機やサーキュレーターを活用して内部までしっかりと乾燥させましょう。
面の乾燥後、皮の部分が硬くなった場合は馬油を薄く塗ると、ひび割れを防ぎ長持ちさせることができます。
洗いから乾燥までわかりやすく解説してくれている動画を2本紹介します。
各1分ずつのショート動画なのですぐに観れますのでおすすめです。
小手の洗い方と消臭対策
小手は剣道防具の中でも特に臭いがこもりやすい部分です。
手のひらや指先から大量の汗が出るため、雑菌が繁殖しやすいためです。
快適に使用するには適切な洗浄と消臭対策を行いましょう。
普段のお手入れ
稽古後は濡れたタオルで内側と外側をしっかり拭き取り、風通しの良い場所で陰干しをしましょう。
特に指の付け根や手のひらの部分は汗がたまりやすいため、念入りに拭くことが大切です。
小手の丸洗い
小手の丸洗いをする場合は、まず小手の紐を外します。
これにより、内側もしっかり洗えるようになります。
次にぬるま湯に中性洗剤を溶かし、2時間ほどつけ置き洗いを行います。
この際、ゴシゴシこすりすぎると革が傷む原因になるため、軽く押し洗いする程度にとどめます。
洗剤をしっかりすすいだら、清潔なタオルで水分を吸い取り、形を整えて陰干しします。
乾燥中に時々手を入れて伸ばすことが推奨されます。
これにより、革が縮んだり固くなったりするのを防ぐことができます。
消臭対策
消臭対策としては防具専用の消臭スプレーを使用するのが効果的です。
市販の消臭スプレーでは剣道特有の臭いには対応しきれないことがあるため、専用の商品を選びましょう。
また、小手の内部に消臭・除菌シートを入れておくと、菌の繁殖を抑えることができます。
さらに、重曹を使用する方法も効果的です。
重曹を臭い部分にふりかけ、一晩置いてから掃除機で吸い取ることで消臭できます。
また、小手下の手袋を使用することで、手の皮や汗が小手につかないようにすることも効果的です。
これにより、手の汗や皮膚の埃が小手に付着しにくくなり、長期間使用する際にも清潔に保つことができます。
胴の洗い方とメンテナンスのコツ

イメージ画像:チヨコスポーツ
胴は他の防具と異なり汗を直接吸収しにくい部分ですが、定期的な手入れが必要です。
打突の衝撃で傷がつきやすく放置すると劣化が進むため、こまめなメンテナンスが求められます。
まず、稽古後は乾いた布で表面のホコリや汚れを拭き取りましょう。
特に打突が集中する部分は傷がつきやすいため研磨剤を使って定期的に磨くと、美しい状態を保つことができます。
汚れが目立つ場合は固く絞った布で水拭きを行い、その後乾拭きをして水分を完全に取り除きます。
ただし、過度に濡らすと木製や樹脂製の素材が劣化する可能性があるため、注意が必要です。
胴紐も汗を吸いやすい部分なので取り外して手洗いし、しっかり乾燥させましょう。
カビ防止のために防具を収納する際には湿気を避け、風通しの良い場所で保管するのが望ましいです。
垂れの洗い方と適切な保管方法
垂れは腰回りに装着するため汗を多く吸収する部分です。
特に稽古後にそのまま放置すると、臭いやカビの原因になります。
日常の手入れとして稽古後には湿ったタオルで表面を軽く拭き、汗や汚れを落としましょう。
汚れがひどい場合は、中性洗剤を薄めたぬるま湯で軽く拭き取ると効果的です。
ただし、染めが落ちやすい素材もあるため洗剤の使い方には注意が必要です。
また、垂れ紐はしわがつきやすく型崩れの原因にもなるため、使用後は軽く引っ張って形を整えましょう。
必要に応じてアイロンをかけると、美しい状態を維持できます。
保管時は湿気の多い場所を避け、風通しの良いところで陰干ししてから収納するのが理想的です。
防具袋に入れる際には消臭シートや乾燥剤を一緒に入れておくと、臭いやカビの発生を抑えることができます。
剣道の防具の洗い方と洗剤・消臭対策
- オキシクリーンをおすすめしない理由
- 洗濯機を使うときの注意点
- カビの取り方と防止策
- アルコール消毒は剣道防具に適しているか
- 防具クリーニングの値段と業者の選び方
- 防具の染め直しで色落ちを防ぐ方法
オキシクリーンをおすすめしない理由
オキシクリーンは強力な漂白・洗浄効果を持つ酸素系漂白剤ですが、剣道防具には適していません。
その理由として、防具の素材や染めの特性を損なう可能性があります。
剣道の防具には藍染の布地や天然皮革が使用されていることが多く、これらの素材はオキシクリーンのような強い洗浄成分に対して非常にデリケートです。
具体的には防具の布地や皮革部分が傷むことがあります。
特に藍染はアルカリ性の成分に触れることで色落ちしやすく、色彩や質感が劣化することがあります。
また、皮革部分に使用すると乾燥しやすくなり、ひび割れや硬化の原因になることも考えられます。
剣道防具の洗浄には、中性洗剤や専用のクリーナーを使用するのが安全です。
これにより、防具の寿命を長く保つことができます。
汚れを落とす際には、濡れたタオルで拭き取る方法やつけ置き洗いを行うと、素材を傷めずに清潔を保つことができます。
洗濯機を使うときの注意点
剣道防具を洗濯機で洗うことは可能ですが、いくつかの重要な注意点があります。
誤った洗い方をすると防具の形が崩れたり素材が傷んでしまうことがあるため、適切な方法で行うことが必要です。
まず、ドラム式洗濯機の使用は避けるべきです。
ドラム式は回転時の衝撃が大きいため、面や小手の型崩れを引き起こしやすくなります。
洗濯機を使う場合は、縦型洗濯機を選びましょう。
次に洗濯ネットを使用し、防具を保護することが重要です。
面や小手をそのまま洗濯機に入れると、他の衣類や洗濯槽にダメージを与える恐れがあります。
特に面の面金部分はタオルで包んでからネットに入れると、より安全に洗うことができます。
洗剤は中性洗剤を使用し、漂白剤や柔軟剤は避けましょう。
アルカリ性の洗剤は藍染の色落ちを引き起こし、防具の生地を傷める原因となります。
また、洗濯モードは「手洗いモード」や「デリケートモード」のような優しい設定を選び、脱水は短時間にとどめることが望ましいです。
洗濯後はすぐに形を整え、風通しの良い場所で陰干しします。
直射日光を避けることで革部分の乾燥や藍染の色落ちを防ぐことができます。
適切な方法で洗濯機を活用すれば、手洗いよりも手軽に防具を清潔に保つことが可能です。
カビの取り方と防止策
剣道防具は湿気を含みやすく、適切に管理しないとカビが発生することがあります。
特に面や小手は汗を吸収しやすいため、カビの温床になりやすいです。
カビを除去し再発を防ぐためには、正しい対処法を知っておくことが重要です。
カビが発生した場合、まず乾いた布やブラシで表面のカビを優しく払い落とします。
強くこすりすぎると生地が傷むため注意が必要です。
その後、中性洗剤を薄めたぬるま湯を使い、カビが発生した部分を軽く拭き取ります。
このとき、洗剤の成分が残らないように、最後に固く絞ったタオルでしっかり拭き取ることが大切です。
カビの臭いが気になる場合は、防具専用の消臭スプレーを使用すると効果的です。
また、完全に乾燥させることも重要なポイントです。
陰干しを基本としサーキュレーターまたは扇風機を使って湿気を飛ばすと、より早く乾燥できます。
カビを防ぐためには日常的なケアが欠かせません。
稽古後は必ず汗を拭き取り、風通しの良い場所で防具を乾燥させることが必要です。
さらに、保管する際には防具袋の中に除湿剤を入れると、湿気の発生を防ぐことができます。
定期的な手入れを行い、カビの発生を未然に防ぎましょう。
アルコール消毒は剣道防具に適しているか
剣道防具の消毒方法としてアルコール消毒を検討する人もいますが、注意が必要です。
アルコールには強い殺菌・消毒効果がありますが、防具の素材を傷める可能性があるため、使用には向き不向きがあります。
特に面や小手には藍染の布地や皮革が使われていることが多く、アルコールを直接吹きかけると、染料が落ちたり革が乾燥して硬化する恐れがあります。
例えば、面の藍染の布地はアルコールで染料が落ちる可能性があり、小手の皮革はアルコールで乾燥し硬化することがあります。
アルコールは水分を急速に蒸発させる性質があるため、皮革に使用するとひび割れの原因になることも考えられます。
また、アルコールの濃度が高すぎると、防具の接着部分に影響を与える可能性もあります。
特に剣道防具は手縫いや特殊な接着技術で作られているため、アルコールの刺激によって接着力が弱まることもあります。
ただし、防具の一部に限定してアルコール消毒を行うことは可能です。
例えば、プラスチック製の面金部分や胴の表面であれば、アルコールを布に含ませて拭き取ることで除菌できます。
ただし、除菌効果を求める場合は、防具専用の消臭・抗菌スプレーを使用する方が安全です。
適切な方法で清潔を保つためには稽古後の拭き取りと乾燥を徹底し、アルコール以外の方法で除菌するのが望ましいでしょう。
例えば、防具専用の消臭スプレーを使用することで効果的に雑菌を防ぎつつ、防具の素材を保護することができます。
防具クリーニングの値段と業者の選び方
剣道防具は長く使うほど汗や皮脂が蓄積し、自宅での洗浄だけでは落としきれない汚れが発生します。
そのため、定期的に専門業者のクリーニングを利用することで清潔な状態を保ち、防具の寿命を延ばすことができます。
防具クリーニングの費用は業者やクリーニングの内容によって異なります。
一般的な価格帯は以下の通りです。
- 面:2,000円~4,000円
- 小手:2,000円~3,500円
- 胴:1,500円~2,500円
- 垂:1,500円~3,000円
- セット(面・小手・胴・垂):5,000円~10,000円
これらの価格は基本的な洗浄のみの場合です。
手刺し防具や特殊な加工を施した防具の場合は、追加料金が発生することもあります。
また、藍染のリメイクや修理オプションを追加すると、費用はさらに高くなることがあります。
業者を選ぶ際のポイントとして剣道防具のクリーニングに特化しているかどうかを確認することが大切です。
一般のクリーニング店では、剣道防具に適した洗浄方法が取られていない場合があるため、専用の技術を持つ業者を選ぶと安心です。
また、過去の実績や口コミをチェックし、利用者の評判を確認するのも有効です。
特に「色落ちが少ない」評価が多い業者は、技術力が高いと考えられます。
さらに、クリーニングにかかる期間も考慮する必要があります。
通常、1週間~10日程度の期間が必要ですが、藍染リメイクや修理を含む場合は2週間以上かかることもあります。
試合や昇段審査がある場合は、余裕を持って依頼することが望ましいでしょう。
防具クリーニングは定期的に利用することで、臭いやカビの発生を防ぎ、快適に稽古を続けるための重要なメンテナンスとなります。
防具の染め直しで色落ちを防ぐ方法
剣道防具は長期間使用すると藍染が徐々に薄れてしまい、色落ちが目立つようになります。
特に面や小手、胴や袴は汗を吸収しやすいため、部分的に色が抜けやすくなります。
これを防ぐためには適切な染め直しを行い、防具の見た目と機能を維持することが重要です。
防具の染め直しには専門業者に依頼する方法と、自分で行う方法の2つがあります。
専門業者に依頼する方法
藍染の専門業者に染め直しを依頼すると、ムラなく均一に染め上げることができます。
費用は5,000円~10,000円程度が一般的ですが、染め直しの範囲や作業工程によって変動します。
業者によっては、防具のクリーニングとセットで依頼できるところもあるため、併せて利用するとより効果的です。
クリーニングとセットで依頼することで、防具の清潔さと色の鮮やかさを同時に保つことができます。
自分で染め直す方法
自宅で染め直す場合は市販の藍染液を使用します。
手順は以下の通りです。
- 防具の汚れを落とす
まず、防具の表面を軽く拭き取り、汚れを取り除きます。
汚れが付いたまま染めると、染料がムラになりやすくなります。
漂白剤を使用せず、適切な洗剤で洗浄します。
洗剤は、防具の素材に適したものを選ぶことが重要です。 - 藍染液を用意する
藍染液を容器に入れ、規定の比率で水で薄めます。
使用する染料によって希釈の仕方が異なるため、説明書をよく確認しましょう。 - 刷毛で染める
防具の表面に染料を均一に塗ります。
特に面の突き垂れや小手の生子などの細かい部分は、筆を使うとムラを防ぐことができます。
染めた後は、すぐに布やブラシでなじませると、色が均一になります。 - 乾燥させる
直射日光を避け、風通しの良い場所で陰干しします。
しっかり乾燥させることで、染料が定着し、色落ちを防ぐことができます。
染め直しの注意点
- 防具の種類によっては、染め直しができない素材もあるため、事前に確認することが大切です。
- 染料が衣類や床に付着しないように、作業場所には新聞紙やビニールシートを敷き、手袋や汚れても良い服装を着用します。
- 染め直し後は、しばらく色移りしやすくなるため、稽古前に一度乾いた布で余分な染料を拭き取ると安心です。
- 適切な染め直しを行うことで、防具の色を美しく保ち、長く使い続けることができます。
洗いから染め直しまで解説してくれている動画を紹介します。
後半の9分くらいから染め直しを実践していますので、参考にしてみてください。
剣道の防具の洗い方と正しいメンテナンス方法まとめ
ポイントをまとめます。
- 稽古後は防具の汗を拭き取り、風通しの良い場所で陰干しする
- 直射日光は避け、防具の素材を傷めないようにする
- 防具袋に乾燥剤や除湿剤を入れ、湿気対策をする
- 面は中性洗剤を使い、軽く拭き取る程度にする
- 小手はぬるま湯につけ置き洗いし、陰干しで乾燥させる
- 胴は水拭きを基本とし、研磨剤で定期的に磨く
- 垂れは濡れタオルで汚れを落とし、保管時に型崩れを防ぐ
- オキシクリーンは色落ちや素材の劣化を招くため不適切
- 洗濯機を使う場合はネットに入れ、手洗いモードを選ぶ
- カビはブラシで落とし、中性洗剤を使って拭き取る
- アルコール消毒は藍染や皮革を傷めるため避ける
- 専門業者のクリーニングは定期的に利用し、清潔を保つ
- 防具の染め直しは専用の藍染液を使い、ムラなく仕上げる
- 乾燥不足は防具の劣化を早めるため、扇風機などでしっかり乾かす
- 消臭対策には防具専用スプレーや重曹を活用する